今、日本の会社では年功序列、終身雇用の崩壊が叫ばれています。
大きなきっかけとなったのは,、2019年5月に経団連会長とトヨタ自動車社長が発言したことです。
(画像引用:ANN News)
「日本では終身雇用制度が維持できない段階に来ている」
これは大変だと、色々な所で物議を醸しだしている我が日本です。
この記事は
✔年功序列・終身雇用が悪くて、成果主義が良い
✔年功序列・終身雇用が良くて、成果主義が悪い
という話ではありません。
・年功序列・終身雇用は崩壊しない
・とはいえ、成果主義も求められる
・両方を維持しようとする会社は苦戦する
・そんな中で40代サラリーマンが取るべき行動とは
これらについて解説します。
目次
年功序列・終身雇用は崩壊しない!
本当に日本の会社から年功序列、終身雇用は崩壊するのか?
私が考える答えはNoです。
正確にはまだ先の話だと感じています。
これは今会社員として働く40代サラリーマンの肌感です。
今の社会の流れで、なぜ崩壊しないと言えるのか?
競争が激しい会社、業界の第一線で活躍する会社等では当たり前のように年功序列は崩壊していきます。
今既に崩壊しているといっていいでしょう。
でも日本にあるその他の多くの会社は、従業員を守る視点がまだまだ強い!
それは戦力になろうとなるまいと。
まさに日本的経営スタイルです。
そしてもう1点。
【雇用を守るという大義】
これが日本の経営者には根付いています。
松下幸之助氏が世界恐慌時、「生産は即日半減するが従業員は一人も減らさない」と言ったのは有名です。
まだ日本式の経営が崩壊するとは言えない理由がそこにあります。
次に具体的に崩壊しない会社の特徴を見ていきます。
年功序列、終身雇用が崩壊しない会社の特徴
世の中で、年功序列・終身雇用の崩壊が徐々に起こっているのは事実です。
ただ、今すぐにそれらが無くなり、成果主義の会社に生まれ変わるなんていうことは、実質不可能です。
その理由は
✔日本の会社は今までそれが是として経営し、成功してきたから
✔そのように育ち会社を支えてきた人たちが経営者側になっているからです。
つまり、日本的な経営スタイルが定着しすぎているのです。
経営学者のジェイムズ・アベグレンが言った日本的経営三種の神器は以下の通り。
終身雇用
年功序列
企業別組合
それが、以下のような会社を作り上げているのですね。
①できる若手に対して「将来有望」と言う会社
ものすごく仕事が出来る3年目の若手がいたとします。
仕事の仕方がスマートで、マネージメント能力やコミュニケーション能力が高い若手です。
よし!この企画の責任者を一回任せてみよう!
いい若手が入ったね。これは将来有望だ!私の後継者として大事にしないとな。
実は、今の日本の企業のほとんどが後者です。
できる若手が、将来会社にいる前提、しかもずっと自分が上司である前提です。
「将来有望」という言葉自体、年功序列・終身雇用制度が生んだ言葉でしょう。
②弱者に優しすぎる会社
日本の企業は
✔雇用することで従業員を守る。
✔その従業員の生活や家族を守る。
そんな風土があります。
あなたの会社にこんな人、いませんか?
✔誰が見ても仕事をしない人
✔出来ない人
✔他社員の邪魔をする人
✔とにかく生産性のない人
=高い給料をもらっていながら働かない人
日本の多くの会社はそんな社員を簡単にリストラが出来ず定年退職まで我慢しています。
そんな社員でも日本の会社は守るのです。
バッサリ、リストラする会社もあるかもしれません。
でも日本的な経営の考え方から行くとまだまだそんな会社は少ないです。
給料の面でも同じです。
基本的に給料を大幅に減らすことはしませんし、上げることもしません。
弱者に合わせるからです。
日本の殆どの会社は弱者にやさしいのです。
年功序列と終身雇用の崩壊で困る人々
・定年まであとわずかの人
・40代でポストが見えている人
・住宅ローン等で必要な収入が明確な人
ここに該当する方々にとっては年功序列、終身雇用の崩壊は厳しい問題です。
定年まであとわずかの人
やる気のない人に限りますが。
仕事をしたくない人はもう定年間近になると更に仕事をしなくなります。
定年間近になれば、それなりのポストにいて高い給料をもらい続けることが出来ます。
年功序列、終身雇用が崩壊すると会社の戦力にならなければ戦力外です。
定年間近までゆるい会社員生活を送って来た人にとっては困る出来事です。
40代でポストが見えている人
やる気がない40代に限ります。
年功序列で行けば、40代はだまっていても役職が付いていく頃です。
特に何も会社の為に尽力するでもなく、役職が付与され給料が上がっていくわけです。
年功序列と終身雇用で守られている最たる人達と言えます。
住宅ローン等で必要な収入が明確な人
今の住宅ローンは安定が審査されます。
どんな会社に勤めていて、勤続何年で、年収いくらか。
年功序列、終身雇用であれば、将来的な収入が保証され、予測もできます。
この辺はメリットであり、家の購入や結婚に踏み切ることにもつながりますね。
ただ、それが崩壊するとなると困る人は多いかもしれません。
最近多い、年功序列と成果主義を両方求める会社
年功序列と成果主義。
正反対の効果を完璧に求める昔の人が多いのが最近の特徴です。
年功序列と成果主義のメリットしか見ていないのです。
1つの会社で長く勤務すれば、それだけで自動的に一定の役職を得ることが出来る
従業員の能力や会社に対する貢献度といった業務の成果に応じて役職、賃金等の報酬を決定する人事制度
年功序列で育ってきた上層部が、下手に成果主義について知ると無理に導入しようとします。
物事には両側面があり、当然メリットとデメリットがあります。
両方のいい所だけを取り入れようとしてもうまくいくはずがありません。
結局年功序列、終身雇用は守られる前提なのです。
年功序列と終身雇用崩壊より怖い崩壊
先ほど書いた、年功序列と成果主義の両方を求めるケースは、年功序列、終身雇用の崩壊どころか会社の崩壊を招くのではないかと思います。
成果主義です!会社に貢献する仕事をすればその業務に応じて評価します!
といくら会社が言った所で
何もしなくても自分より高い給料をもらっているやる気のないおじさんが上司にいたら、仕事ができる若手はやる気を失います。
結果、できる若手はその会社を去ります。
残るのは上記で書いた困る人達ということです。
将来その会社がどうなるか。
答えは見える気はしますね。
40代サラリーマンは今、どう行動すべきか
最後に、年功序列・終身雇用の会社内にいる40代サラリーマンがどう行動するべきかです。
ほとんどの日本の会社で年功序列や終身雇用は、完全に崩壊することはないです。
ただ、
✔55歳で昇給ストップ
✔ポスト返還等
のレベルは十分あります。
生涯の収入を会社にコントロールされる状況を脱すること!
これがまず考えるべき行動の1つです。
会社以外に収入を得る方法を考え、実践する。副業や投資をする考え方
年功序列でも成果主義でも生きていける人材へ
会社からの収入以外に、収入を得ることが出来ると、心に余裕が生まれます。
会社からの収入と同じかそれ以上収入を得ることは難しいかもしれません。
それでも、余裕があると本業でもいい影響を生みます。
会社にしがみつかなくてもいいっていう思考を持つ。
これが40代サラリーマンに必要な思考です。
会社にしがみつかない、会社の影響を受けない生き方をするには
【年功序列の今の会社に残るか、転職するか】
ビジネス書著者である俣野成敏氏は以下のように切り分けのヒントをくれています。
10年後が見えないことに不安を覚える人=年功序列の会社
10年後が見えることに不安を感じる人=成果主義の会社
あなたはいかがですか?
おもしろい考え方です。
これによれば
①成果主義の会社へ転職
②今のまま年功序列の会社にとどまる
③今のまま年功序列の会社にとどまる。ただし、副業を開始する。
40代サラリーマンは家庭がある人も多く、中々転職というのはリスクと考えてしまいます。
そう考えれば、今3番の行動をとることが、40代サラリーマンにとってベストではないでしょうか。
私が実践している行動
私はかなり慎重派で生きてきました。
そのため若い頃は完全に年功序列の会社がいいと思っていましたし、親や先生の教えもそうでした。
ただ、30代に入ってからは将来の給料が計算できてしまうことに不安を覚えました。
それでも行動はせず10年過ごしてしまいました。
今40代になり会社の収入以外の収入を得るために以下の行動しています。
✔ブログ
✔投資
そしてわずかながら収入を得ることが出来ています。
まとめ
40代サラリーマンはこの年功序列、終身雇用の崩壊という事実がもろに影響してくると考えられます。
なぜなら、これまで20年どっぷりと年功序列社会で働いてきたことで、体も頭もそれに慣れてしまっている。
その上で、定年退職年齢までの20年、年功序列・終身雇用が崩壊し、成果報酬型の働き方になっていくかもしれないのです。
しかも役職や立場がある。
苦戦しそうな気がしませんか?
どうなっていくかわからない社会です。
自分の身は自分で守るためには何をするべきか。
決して遅すぎることはありません。
出来る行動を考えてみましょう。