初めてのバリウム検査!緊張しているあなたへ コツと注意点事項を教えます。バリウム検査を徹底解説!

バリウム検査とはどのような検査なのか

バリウム検査とは、健康診断で行う胃の検査です。
食道・胃・十二指腸の病変をチェックするための検査で
胃がん健診と呼ばれる検査のひとつです。
胃がん検診としては、胃カメラの内視鏡検査もありますが、
集団で検診を受けられる場合は主にバリウム検査が用いられています。
バリウム検査は通称、胃部レントゲン検査とか胃部エックス線検査とも呼ばれます。
バリウムを飲み、胃の壁面にバリウムを付着させてX線を照射し透視します。
バリウムと一緒に発砲顆粒という胃を膨らませる粉を飲むため胃が膨らみます。
その上で寝台と呼ばれる動く架台の上をグルグル回させられるため
苦しい検査という印象があるかと思います。

健康診断の項目の中でも初めての方は非常に緊張する検査かもしれませんし
どんなものかと少し構えてしまう検査です。
初めての方はバリウム検査受診前に何となくどんなものか知って受診すると
少しは安心して受けられるかと思いますので、バリウム検査について解説していきます。

バリウム検査の一連の流れ

検査当日は空腹状態で検査を受ける必要があります。
前日の注意事項については下記の記事で確認してみてください↓
胃部バリウム検査一連の流れ
・撮影室に入ります。
・寝台(ベッド)が立っていてベッド前に立ちます。
 (ベッドが180度寝たら、そのまま寝てしまう状態)
・発砲顆粒(粉薬のような感じ)を口に含みます。
・コップ一杯のバリウムで流しこみ、バリウムも一気に飲み干します。
 飲むバリウムの量は約150~200CCです。
・ベッド両サイドにあるバーをしっかりつかみ、撮影者の指示に従い
 右回りに3回まわったり、息を止めたり、腹をふくらませたりします。
・いろんな体制で8~10枚ほど撮影したら終了です。
・撮影中はベッドの角度が真っ逆さまになる状態もあり、中々厳しいです。
・また、ゲップも基本的には我慢です。
 ゲップをすると胃がしぼんで下手するともう一度飲まないといけなくなります。
・撮影が終了したら、水を大量に飲み、下剤をもらって終了です。

バリウムって何?

バリウムというのは、
バリウムは、原子番号 56 の元素。元素記号は Ba。アルカリ土類金属のひとつ (転用wikipedia)
です。
胃の検査の前に飲ませられるもので、造影剤の役割をします。
口当たりは良く言えば飲むヨーグルト、悪く言えば、セメントのような感じです。
セメントは飲んだことがありませんが、ドロドロの少し重たいものです。
今は様々な風味をきかせて飲みやすくなり、また量もひと昔前に比べて
少なくなっています。
このバリウムを飲むことで、食道、胃、十二指腸に至るまでの胃の粘膜に付着します。
そうすることで、撮影機器で見ると胃だけがクローズアップされて観察することができます。

なぜゲップが出るのか

バリウム検査というと、ゲップを我慢しなければいけない!というイメージをお持ちの方も
いらっしゃるかと思います。
ゲップの原因は発砲顆粒です。
胃を膨らますために炭酸の粉のようなものを飲みます。
なるべく胃を広げてしっかり撮影できるように飲むものですが
この発砲顆粒はどんどん胃の中で膨らんでいきますから
ゲップが出そうになります。
再投与されないようしっかり我慢しましょう。
撮影が終了すると、この世のものと思えないほど長ーいゲップが出ますよ。

バリウム検査をうまくやるコツ

バリウム検査にコツはあるようでありません。
しいていえば、平常心
必要以上に緊張する必要はありません。
どうしても緊張してダメな場合は、検査の回る順番を最初に取ってしまうか
全て終わってからにするか、相談してみましょう。
また、ゲップが出そうな時は飲み込むしかありません。
バレないかなと思ってそーっとしても胃が縮むのでわかります。
多少はそのまま撮影を続けてくれると思いますが
何とか我慢しましょう。
寝台の上をグルグル回る時ですが
冷静に撮影者の指示を聞いて動きましょう
右に3回、そのあと左周りでとか、連発で指示されると
右と左がわからなくなりますから
緊張せずにしっかり聞いたまま動きます。
指示もいろいろと工夫してわかりやすくしてくれていますし
部屋の中に貼り物をしてわかるようにしてくれている施設もあります。

バリウム検査を受ける前の注意事項

パリウム検査受診前ですが、必ず空腹の状態で受診しましょう。
胃の中に食べ物が残っていると、
それを病変と間違えて診断されてしまう場合があります。
前日は遅くとも9時までには食事を終え、当日の朝食は
間違って食べてしまうことのないようにしてください。
食べてしまうと、別の日に再度受けにくることになります。
前日の注意についてはこちらを参照してください↓
胃がん検診を受けないほうがいい方
胃に穴があく病気になったことがある方、腸閉塞の既往がある方は
胃の検査を受診しないほうがいい場合があります。
重たいバリウムは体の中で固まりやすい物質です。
バリウムが胃の中に留まると炎症を起こしたり、腸閉塞が再発するなどの
リスクがありますので、受診をやめるか、主治医にご相談ください。
バリウムは原材料が金属です。
これまでバリウム検査を受けたことがあり、じんましんの発生、嘔吐
息苦しくなるなどの症状があった場合はバリウム検査を受けないことを
検討してください。
注意すべき検査順
腹部超音波検査を受ける場合は腹部超音波検査を先に
血液検査も終わってから胃がん検診を受けるようにしてください。
体重制限あり
また体重が120キロを超える場合は、寝台が耐えきれない場合もあります。
120キロまではだいたい大丈夫ですが、念のため検診施設の方へ聞くようにしましょう。

バリウム検査が終わったら注意するべきこと

無事バリウム検査が終わったら
水をたくさん飲みましょう!
最低でも備え付けのコップ3杯は飲みます。
バリウムで満腹感があり、飲むのが大変ですが頑張って飲みます。
直後に水は飲みますが、その日はなるべく水分を多く取ることを心がけてください
バリウム検査が終わると下剤をもらいます。
すぐ飲んでもいいですし、不安な場合は健診が全て終わってから飲みましょう。
なぜ水を大量に飲むかというと、バリウムを流すためです。
バリウムは腸で固まります。
腸閉塞を引き起こす可能性がありますので早めにバリウムを出してしまいたいです。
下剤を飲み、一定時間が経過すると便意を催しますので
便と一緒にバリウムを出してしまいます。
最初は便も真っ白ですが、出来ると通常の便の色になります。
そうなったら全て出きったと考えていいでしょう。
バリウムが出ないと腹痛や、お腹に違和感がでてきます
時間がたてばたつほど便と一緒に出すことが難しくなります。
1日たって出ない場合はほとんどの場合お腹が痛くなりますので
医師に相談するようにしてください。
浣腸で済む場合もありますが、最悪な場合、手術が必要となるケースもあります。
検査後はなるべく水分を多くとり、バリウムを早く出す努力が必要です。
なお、食事は普通にとっても大丈夫です。

バリウム検査は意味ないという噂は本当か

ちまたでは、
・バリウム検査は意味がない!
・どうぜ引っかかるから最初から内視鏡検査でいい!
・医師はバリウム検査なんか受けていない!
などという噂が飛び交っています。
本当に意味はないのでしょうか?
結論からいうと
意味はあります。
科学的に死亡率を現象させるに一定の効果があるということで証明されています。
実際バリウム検査でがんが見つかっています。
バリウム検査で病変らしきものが見つかった場合は二次検査受診の対象
となりますが、二次検査になると内視鏡検査を受けます。
確かに最初から内視鏡検査を受診すればいいという考えもありますが
かねてから国の指針では胃がん検診はバリウム検査が推奨されてきた歴史があります。

厚生労働省の胃がん検診指針

国では各種がん検診の指針を出しています。
胃がん検診では40才以上のバリウム検査となっていましたが、
2014年にガイドラインが変更となり胃内視鏡検査も胃がん検診として認められました。
このことから、胃がん検診を最初から内視鏡検査にしたいという人は
非常に増えてきているというのが現実です。
しかし、バリウム検査は放射線技師が撮影し、画像を医師が診断するのに対し、
内視鏡検査は医師がカメラを飲ませる必要があります。
そのため、医師の確保が非常に大きな問題となっており
中々全員に内視鏡検査を実施することは難しいのです。

ピロリ菌検査の併用

近年、胃がんの原因のほとんどはピロリ菌であるということがわかってきました。
これによりピロリ菌検査がかなり浸透し、受診される方も多くいらっしゃいます。
多くの健診機関でも胃がん検診と一緒にピロリ菌検査を実施できる環境が整っています。
ピロリ菌検査は血液検査でできるため、
人間ドックなど総合的な検査を受けられる場合は気軽に追加して検査を受けることができます。
結果、もし胃の中にピロリ菌がいたらすぐ専門医で除菌治療をおこないましょう。
注意事項としては、ピロリ菌検査はがんを見つける検査ではありません。
ピロリ菌検査を受ける場合は、合わせて胃がん検診を受けるようにしてください!

胃がん検診の結果について

結果については本当にドキドキするものです。

健診結果で要精密検査という表示があったり

精密検査の受診を促す文書やはがきが入っていた場合は

主治医に行き相談するようにしてください。

健診の段階では「疑い」としか診断しません。

必ず精密検査(内視鏡検査)を受診し、無事を確認するようにしましょう。

自己診断だけは絶対にダメです!

まとめ

バリウム検査についての理解は深まったでしょうか。
以下まとめになります。
  1. ・必ず空腹の状態で受診する。
  2. ・ゲップの我慢は飲み込むしかない。
  3. ・撮影者の指示は冷静に聞き、言われるがまま動く
  4. ・検査が終わったら大量の水を摂取する。
  5. ・早めにバリウムを出す意識を持つ
  6. ・バリウム検査は意味がある。(国が認めている)
  7. ・ピロリ菌検査を併用して実施する。
胃がんの罹患率は男性は1位です。
女性は乳がん、大腸がんに続いて3位です。
胃がん検診は40才以上という指針がありますが、
追加して実施することができます。
※健診機関で異なります。
とてもいやな緊張する検査ではありますが
家族のために年1回は受診するようにしましょう。
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